委員 [各官庁の所屬庁または分局に専官がないとき、上官がその屬僚に委任あるい は任命されて其の職務を執行する人のことである。あるいは、委官ともいう、
@委について、「清會典」に「各衙門堂官派曰委」                   (P〇〇九八)
A右の「委」は「清會典」」によると「凡百官之任」すなわち官の任用の仕方の種類を記した条下にあるので、「委」は官の一種であると考える。
 凡百官之任、有管理以重其務・・・[割註省略]・・・有行送以供其職・・・・・
有加銜以顕其秩・・・[割註省略]・・・有稽察以慎其法・・・・・
有兼充以省其官・・・[割註省略]・・・有差委以寄其責、[凡欽派曰差、各衙門  堂官派曰委、・・・・・・・・・・中   略・・・]有分發以練其事・・・・・
・・・・・・有署理以權其乏・・・下   略           (清會典]P〇〇八二)
B員は「@かず、物の数、人の数、あたま数、転じて人の意に用いる。A団体の組成分子」と「中日大辭典」にあるが、Aは新しい概念であると考えられるので、@の「人」の意味を採用する。
C委員、各官廳ノ所屬廳又ハ分局ニシテ専官ナキモノハ當該官廳ノ上官ニ於イテ其屬僚ニ委任シテ其事務ヲ執行セシム・・・・・下略・・・       ([清國行政法」)
  以上のことから、委員とは、各官廳の所屬廳又は分局に専官がないとき[必要が生じたときに]上官がその屬僚に委任あるいは任命されてその事務を執行する人のことである。委員を「委官」とも稱した。例:「歴代寳案P五六五」に「ネ行委官同來使進呈」とあることによって知れる。
 「歴代寳案」には屡々、委員の語が出てくる。例えば、琉球に漂流して、進貢使、接貢使によってfに送り届けられた遭難者である朝鮮人をfから北京禮部まで送り届ける役目を帯びた委員があり、琉球の進貢使をfから北京まで護送する役目の委員等が見られる。