應用處
○「歴代寶案」の例
@「其進貢硫黄、交與福建督撫、照例收貯、臣部
移文工部、挨應用處使用」(「歴代寳案」三三六)
「其の進貢の硫黄は福建督撫に交與して、例の
とほ照り收貯せしめ、臣部は工部に移文して、應用處
ま
の使用を挨たしめん」
A「・・・上略・・・其進貢熟硫黄壱萬貳千陸百
h交與福建督撫、照例收貯、聽臣部移文工部于應用所使用、 ・・・下略・ ([歴代寳案」三七三)
「聽臣部移文工部于應用所使用」の意味は次のようになると考える。
A「臣部が工部に[琉球からの進貢物である硫黄が福建に收貯されているので、必要があれば使用されたし、と]移文するので、[福建巡撫には、工部が]必要
またしむ
とする所において使用するのときを聽 べし、と存じます」と。(「禮部題」の中の文句)
そして、その訓みは
必要とする所
「臣部が工部に移文すれば[福建巡撫には、工部にて]應用處
またしむ
において使用するのときを聽 べし」となろう。
聽候部文撥用
「照依部文内奉旨事理、即便欽遵、 將前項硫黄、照例収貯、聽候部文 撥用」 (「歴代法案」三七四)
此の句は右の「聽臣部移文工部于
應用處使用」の項の「禮部題」が 「依議」となり、福建総督・巡撫の もとに到ったものを受けとって、 総督・巡撫が福建等處承宣布政使 司に対してなした指令文の中の文 句である。又、「聽候部文撥用」 は「禮部題」の中の総督・巡撫に 対しての指示である「聽臣部移文 工部于應用處使用」に対応する総 督・巡撫から福建等處承宣布政使 司に対する指示でもある。
ま
従って、この句は「[工部の]部文を聽
ち 支 出
候て撥用せよ」と訓ずることがで きると考える。