關防<br>
        さいがい  きょう<br>
○内地と寨外の疆　界、所々に関所あり（この関所はもっぱら往来の人を吟味する関なり）。その関<br>
                  ツヲンピンクワン（注一）<br>
を守る役人は武官の総　兵官より勤番す。民商、寨<br>
                              それ          それ外に出づる事あれば、関所にて、某の地の人、某<br>
              それ                    それ<br>
のことありて、某の地へ行き、あるいは某の商売<br>
                      ただ<br>
に行くということを聞き糺して通行をゆるす。またその本県にあって願いの品によりその知縣より前びろに関所へ掛けあいつかわすことなり。この<br>
      クワンバン（注二）文書を關防という。文書の式つまびらかならず。<br>
注一、総兵官は将官クラスの高級将校で、鎮標を       統轄した。ここでは明代の九辺鎮のような       北辺防衛にあたる軍管区の指揮官として総       兵官を指していよう。<br>
　二、関防は関防牌すなわち出入鑑札のこと。単       に関防といえば関所のことか、あるいは公       文書に押す長方形の割印のこと。<br>
                     （「清俗紀聞２」一五〇頁・『東洋文庫・平凡社』）<br>
○清代の印信の一種。一般には臨時性の機構及び<br>
                   処 理<br>
財産・工程の事務を辧理する機関の使用するものと為す。各省の総督・巡撫・各倉場・河道・漕運<br>
総督・欽差出使各國大臣・万年吉工程処・鎭守・総兵官・欽差三品以上大臣・欽差四品以下官員・總理各國通商事務衙門・知貢挙・順天郷試監臨・宗人府銀庫・内閣典籍廳・禮部鑄印局・各倉監督・各關監督・各省守巡道・各省織造・巡視王城御<br>
                                        これ<br>
史・各直隷州州同・州判等の如きは、均しく之を用いるなり。各機構及び官員の地位・品級の同じ<br>
                            材　 質<br>
からざるを以って、用いる所の質材・文体と尺寸<br>
         ま  それぞれ<br>
の大小も也た各　　異なるなり。（秦國經）<br>
                     （「中国歴史大辭典・清史（上）一八三頁、原中文）<br>