@「中日大辭典」の字解
   擬 :@はかる。おしはかる。(擬議)おしはかり論ずる。相談する。A計画する。起稿する。Bなぞらえる。似る。比較する。C予定する。・・したいと思う。
A「訓讀吏文」の例
イタスベキ
擬 :@擬
ホッシ
A擬
トシ ヨロシク ツカハシ ツラネ
B擬 合 差 人ヲ、坐 名ヲ行移シ、
下 V V
ヒキトラヘ トリサバカン
取發 到ラシメ司ニ、依リ律ニ歸問
V V 上
シラベテツミヲサダメ
C問 擬
D擬、照律也
トシテ ヨロシク
E擬  合 行移シ知會セシメン
二 一
ヨロシク タチアフベキモノナリ
F擬合 委官相ス
 ス ヨロシク
G擬 合 照問セント
二 一
トシ ヨロシク 申シ上ゲン
H擬 合 通行
二 一
B「類書纂要」の例
議擬:議は計較なり。擬は定なり。
(「類書纂要」和刻本類書集成五の三五二、原文は訓点漢文)
  右の「中日大辭典」「訓讀吏文」「類書纂要」の字解の例によって「歴代寶案」の「擬」を考えるに。「中日大辭典」の@「はかる」Aの「計画する」が文脈にそくした字義として適当であると考える。
○「歴代寶案」の例
@「應挨呉美徳到f之日、令該督將雜氏等十二名、
一併酌議」(「歴代寶案」三二六)
ま ま
 「應さに呉美徳のfに到るの日を挨ちて、該の
いっせいに
督をして雑氏等十二名を將って、一併に酌議する
はか
を擬らしむべし」
A「安敢擅擬」(「歴代寳案」三三八)
いずくんぞ ほしいまま さだ
「安 敢えて擅 に擬めんや」
擬 :問擬・・・シラベテツミヲサダメ
     (「訓讀吏文」二八七の四)
議擬:議は計較なり。擬は定なり。
(「類書纂要」和刻本類書集成五の三五二、原文は訓点漢文)
依擬:上司、下司の擬する所に准依する。
(「類書纂要」和刻本類書集成五の三五二、原文は訓点漢文)