誥<br>
○文書の名称。中国古代皇帝が臣工を告誡し或いは任命するときと、官員を封贈するときに専用する詔令文書の一つなり。清は古制に沿って誥を以<br>
って詔令文書の一つと為し、以って政教を宣布す<br>
                  大略<br>
るに用いしが、後に略変更する有り。皇太后或いは太上皇の名義を以って臣民に向かって発布する<br>
               い<br>
諭令も亦た誥と称う。以って五品以上の官員を封贈し及び世襲・罔替の爵位を授与するに用いるの<br>
                   な                 よ<br>
も称して”誥命”と作す。誥命は綾錦に由りて制<br>
                              形　　式<br>
成し、五色相い兼ぬるなり。其の形制は巻軸式と<br>
           ま        　い              材　 質<br>
為す。故に也た誥軸と称う。其の軸柄の質地には玉飾・犀角飾・黒牛角飾等の区別有り。誥文は翰<br>
        よ          作　　成<br>
林院 に由って文式を撰擬し、内閣大学士が奏して定まるなり。満 漢の両種の文字を以って刊刻し、<br>
                                    保管    なら<br>
��は”制誥之寶”を用い、梓板は内閣に存し、并びに内閣侍讀学士或いは侍讀の内より一・二を指<br>
        専門の責任者            品位定し、て専司　　が檢稽して、品を按じて頒発する<br>
           よ                     よ<br>
なり。事に因りて追奪或いは絶嗣に因るに非らざ<br>
              返　　還<br>
れば、例として交還せざるなり。（朱金甫）<br>
                     （「中国歴史大辭典・清史（上）」三八四頁、原中文）<br>