拷問

○シナでは拷問が大変厳しいので、その最中に時には死ぬものがある。この拷問は脚の骨をくだき、これをつぶしてしまう。痛感を減らすどころかそれを消してしまう薬がある。役人はこの薬を用いるのを禁じる。かれが受刑者を元気づけるために薬の使用を許すのは拷問がすんだあとである。受刑者は実際にそのお陰で数日のうちに脚を使えるようになる。

(「イエズス会士中国書簡集4・社会編」九〇頁備考三、『東洋文庫・平凡社』)