至・・・合併聲明
○[考察]
@「至該國兵船、係属保護貨船之用」
  至:・・・はといえば。なおまた・・・・は
  「至該國兵船、係属保護貨船之用」
(なおまた、その國の軍艦は貨物をつんでいる船を保護するためのものである。)
            (「中国外交文書辭典])
A「伏候察核具題、至此案、應請撫憲主政合併聲 明、等由」(「歴代寶案」五五九一)
B「伏候察核具奏、併請咨明大部、再此案、應請 撫憲衙門主稿合併聲明、等由」(「歴代寶案」五〇六一)
  A、Bは全く同型の文型であり、且つ内容も同じであることから、Aの「至・・・合併聲明」の「至」とBの「再・・・合併声明」の「再」との意義は同じであると考える。
 @の「至」の意義からAの「至」も「なおまた・・・は」に解される。従って、Bの「再」にもまた「なおまた・・・は」の意味に解して良いと考える。
 以上のことから、「再」「至」は同義語であり、
「なおまた・・・は」、あるいは、「なほ」「さらに」などと訓ずることができる、と考える。
○「歴代寶案」の例
@「伏候察核具題、至、此案、應請撫憲主政、合  併聲明、等由」(「歴代寶案」五五九一)
A「伏候憲臺察核具題、并請移咨大部査照、此案     應請撫憲主政、至、玉環廰漂収難番小橋川等     柴名、已於上年陸月間到f、經前署廰普祥譯     訊供情詳報、當經詳請奏咨、在案、合併聲明」                                 (歴代寶案法案」四三五三)
B「至、ネ賞銀三百兩、應於嘉慶柴年地丁銀内動  支、挨該國使臣回國之便、ネ行移咨該國王轉  給、入於柴年地丁奏銷冊内、造報、合併聲明、  等由」(「歴代寶案」四六四六)
しさいに實を考察 ま
@「伏して察核 して具題せらるることを候た
なほまた 原稿作成 こ
ん。至、此の案は撫憲の主政に[擬稿するように]請はれた
いっしょに もうしあげま
し。合併して聲明 す。」
しさいに實を考察  なら 禮
A「伏して憲臺の察核  して具題し、并びに大
部 承 知 ま部に移咨して査照せしめらるるを候たん。此の案
原稿作成 こ
は、應さに撫憲の主政に[擬稿するように]請はれるべし。
なほまた至 玉環廰へ漂収したりし難夷の小橋川等柴名等
うち すで
については、上年の陸月の間にfに到りて、經に
詳文もて報告
前の署廰の普祥が供情を譯訊したりしこと詳報
とき すで 詳文もて
したれば、當に經に詳 奏し、[禮部に]咨すべけんこ
こ いしょに 申しあげま
とを請ひたりしこと案に在り。合併して聲明 す。
以上の趣
との等因あり」
なほまた
B「至 ネ賞の銀三百兩は、嘉慶柴年の地丁銀内
支 出 ついで ま
より動支し、該の國の使臣が回國の便 を挨ちて、
べつ 申しおく
ネに行 りて、該の國王に轉給し、柴年の地丁奏
いっしょに 申し上げま銷の冊内に入れて造報すべし。合併して聲明 す。
以上の趣
との等由あり。
◎「至・・・合併聲明」と「再・・・合併聲明」が同機能の用語であることについては「再・・・合併聲明」を参照せられたし。