十家幇

○福州河口での琉球貿易に群集する商人の中に現地で「十家幇」と呼ばれる牙行が出現し、琉球貿易の経営に従事し、通訳として官許の中琉貿易におけるマネージャー的存在となった。その十家は卞・李・鄭・林・楊・趙・馬・丁・宋などの九姓、及び福州城内の劉家であった。伝えるところによると、劉家の元祖である劉豫斉（乾隆三十年一七六五年、卒。享年六十三歳）は、かつて資産を売って琉球船の難民十余人の貨物の売りさばきを助け、彼らを帰国させたことがあるという。翌年、琉球

そてつ商人が福建に来て借金を返し、また劉家に鉄樹二本・漆器一件・銅爐一個を贈った。その後、球商

の往来貿易はみな劉豫斉の第三子・国禎によって運

営された。（「福州の古跡から見た古代中琉関係」朱振声著（真栄平房昭訳）『沖縄文化研究１３』法政大学沖縄文化研究所、一九八七、五五二頁）

○琉球館付近の太保境にある十軒の牙行に対する地元の人々の呼称。（参照：牙行）