准據
○准據安協福防廳各咨報到司　（「歴代寶案」Ｐ二〇四八）
右の句の主語は福建等處承宣布政使司である。准は同級機関からの來文を受け取った時に用いる用語であり、據は下級機関からの来文を受けとるときに用いる用語である。「清會典」によると布政司は文職の従二品で、安協は武職の従二品である。［厳密にいうと「清會典」に安協」が従二品と掲載されている訳ではない。では、何故に安協を従二品としたかというと、安協の「責任者」である副将が従二品と記されているからである。すなわち、安協といえば、安協副将を指すからである。］
　福防廳とは福州府海防同知を指す。同知は文職の正五品である。［「福防廳」については「福防廳」の項を参照］
　福建等處承宣布政使司が武職の同品級である安協からの來文を受けとる時は「准」を用い、下級の福防廳からの來文を受ける時には「據」を使用するきまりである。
　本来なら別々に來文を受けとったのであるから、
「准安協○○咨云云」「據福防廳○○報云云」とすべきであるが、両者から同一内容の「事件」の文書を受けとったので、煩雑さを避けるために簡略した語法である。
　次のように訓むことができる。
ウケトリタル各々
「［福建等處承宣布政使司が］准據 安協・福防廳の各の咨
福建等處承宣布政使司報が司　に到りたり」と。准此
①准此
（一）：據此的意思、歴史文書中、凡引叙平級機関來文完結后、即用此語関顧前文、并由此轉入叙述自己意見的下段文字。此語多出現于結束引文的”等因””各等因””等由””各等由” 等用語之后、和起引叙作用的”准””案准”” 開”等用語相呼応、起到承上啓下的作用。如” 准貴部咨開：・・・・・、又准社会部函開：・・・・各等由、准此、・・・”。如來文有附件、附件名称可出現在此語之前：”・・・等由、附某某法規一、准此、査・・・”。如”引叙來文完畢后、叙述來文到達某某機関、然后再出現此語。如”等因到部院、准此”” 等由到道、准此”
（二）：照此辧理的意思。上級向下級機関或人民發出的文書中、命令下級或人民依照上級來文辧理某事的用語。多出現于文書的結束處。如”右剳巴県知県某某、准此””右牌仰大湖庁、准此”（「歴史文書用語辭典」）
（一）「此を據けとるの意思なり。歴史文書中にては、凡そ平級機関より來文を引叙して完結の后に即ち此の語を用い、前文関顧して并に此れ由り、自己の意見を叙述するの下段の文字を轉入す。此の語は多く、引文を結束する”等因””各等因””等由”各等由”等の用語の後に、出現し、引叙を起こす作用をする”准””案准””開”等の用語
上文を承け下文を書き起こすするなり
と相呼応して、承上啓下の作用を起到。”
うい
貴部の咨を准けとりたるが、それに開ふには、・
う
・・とあり、又、社会部の函を准けとりたるが、
いそれぞれの以上の趣
それに開ふには・・・・・・・とあり、各等因、
承知仕れり