書剳

○神宗は張居正に對し言事を具陳せしめるに「書剳」の様式を許した。「書剳」は奏疏に比し表現が自由であり、自己の意思を充分に疎通し、最も重要なことは、漏洩の憂いないことであった。時に居正はこの書剳様式によって完全に朝廷との意思の疎通を圖ったので、「時に臣主一人の如し」と稱せられる所の彼の獨裁時代を現出し得たのである。(明時代)(『東洋史研究第二十巻』「明代の内閣」)