章奏
○元来章奏は會極門(京官)と通政司(外官)を經て朝廷に達せられ、天子は視朝回宮の後これを全覧して内閣に送り(この間の事務は全て司禮官が當る)閣臣をして票擬せしめるのが舊規である。
○内外の章奏は朝廷より内閣に回附され、内閣はそれを看詳して擬旨する。
○閣臣が内外の章奏に對して、旨を擬する場合、章奏の内容によって幾通りもの票擬が準備作成され天子はその内一つを自己の意思によって採擇斷決する。
○内閣の票擬の内容が旨に稱わないばあいには、天子は自ら筆削を加え、或は内閣をして改票せしめた。
○このように作成された票擬は朝廷に送られて採擇斷決される譯であるが、その票擬が旨に稱える場合はその旨を文書の面上に朱筆を以て書せられるのである。この場合中官をして代書させることがある。
○なお閣票は本紙小帖を用い墨書する習わしである。このようにして裁斷を得た票擬は内閣の属官たる典籍によって墨字と\字とを照合して絲倫簿
に登録した後發出されるのである。
(『東洋史研究第二十巻』「明代の内閣」)