上伝档
○上伝档は内務府が内閣と軍機処の通達した上諭や各種の奏本・奏摺をまとめ抄録した档冊で、順治十六年から咸豊十一年までの計一八六冊である。この档冊の記載は内容が非常に広範囲に及んでいる。内務府の経済収入に関する上諭や奏摺、各省の督撫官吏の進貢品の名称や数量、帝・后・妃・嬪・公主の各活動及び冠婚葬祭の儀礼制度に関する詳細な記録、地方官吏や軍事官吏の軍事方面に関する報告、高級官吏の汚職を処罰する上諭と家財没収の明細表、北京在住の西洋人・朝鮮・琉球・安南等の使節やその国王への賞賜品に関する奏摺や明細票が入っている。中外関係及びその他方面の歴史研究者がこの档案を利用すれば、なかなか見ることのできぬ貴重な史料を発見できると思う。(「歴代寶案研究第2号」「明清档案と中琉関係史料の構成について」)
○档案の名稱。清の内務府档冊の一つなり。清の
対面して受け玉内務府制度では、凡そ総管大臣が面奉 はれる諭旨、或いは宮殿の監督・領侍等の内官より轉傳し
およ
たる諭旨以及び交発したる事件は、均しく形に應
 あつめ 保 管 つく
じて諸文字をば匯集て存案し、装訂して冊を成り、稱して上傳档と為す。現に中国第一歴史档案館に蔵するのは一百七十七冊なり。(朱金甫)
(「中国歴史大辭典・清史(上)二九頁、原中文)