宸陛   [天子のこと。天子を直接に呼称せずにはばかっての言い方]
○「歴代寶案」の例
@「爲此、理合備咨、前詣貴部、煩爲照依事理、 轉奏宸陛睿鑒施行」(「歴代寶案」一五三九)
    宸 :(品字箋)帝居曰宸、取北辰之義、加宀、象宮室也、又宸聽・宸衷 ・宸翰・宸遊等、不敢直指至尊、稱其居也(「大漢和辭典」)
陛 :(漢書)大王陛下。(注)王劭曰陛者、升堂之陛(「大漢和辭典」)
    陛下:臣下が天子を稱する辭。(大漢和辭典」)
ここに よろ 禮部
@「爲此、理として合ろしく咨をば備ふべし。貴
すすみいた ねがはく  とほり とりつ 天子部に前詣 らば、煩爲 は事理の照依に轉 ぎて、宸
 様 奏本を差し出して申
陛に、睿鑒せられて施行せらるるように奏
し上げられ
たし。」
○宸陛とは直接的な意味は帝居の堂に升る階段の謂いであるが、品字箋の解の如く敢えて至尊(天子)を直指せずして、その居住(宸陛)を称して天子を間接に表現したものである。