折衷型文書様式
○「歴代寶案」の外交文書の様式を西里喜行は、咨文型文書様式、書簡型文書様式、折衷型文書様式の三型に分類して、折衷型文書様式を大略次ぎのように説明している。
○折衷型文書様式
 折衷型文書様式とは、琉球から朝鮮・東南アジア諸国宛ての文書および東南アジア諸国から琉球に宛てた文書で、咨文の形式と書簡の形式とを兼ね備えた文書様式の一群をいう。
○折衷型文書様式の構成
@発信者の氏名(國名+氏名)をフルネームで署 名。
A「書簡を差し上げます」という意味の「奉書」 あるいは「奉復」の用語がくる。
B宛名:受信者の名称+敬称
C本文
D「笑留惟幸、更希順序保嗇」(笑留さるれば惟 れ幸なり。更に希わくば順序保嗇せられよ)で、 本文を結ぶ。
E咨文のように「右咨朝鮮國」と、文書の宛て先
を記す。
F発信年月日 (『那覇市史・歴代寶案第一集抄』解説)
※琉球から朝鮮あての文書は三つの様式のいずれも用いているが、朝鮮から琉球あては書簡型が中心で、咨文型文書様式も用いているが、折衷型文書様式は一通もない。