大部     [中央各部に対する敬称。「歴代寶案」では禮部を指すことが多い]
   大部:「歴史文書中、対中央各部的敬称。 凡地方各給機関発出的文書中提及 中央各部、即用此語表示。如”轉 咨大部””轉呈大部”」
(「歴史文書用語辭典」)
  提及:・・・に話し及ぶ
「歴史文書中、中央各部にたいする     敬称なり。
凡そ地方の各機関の発出したる文
話しおよぶ
書中にて中央各部に提及 のとき、 即ち、此の語を用いて表示するな り。”大部に轉咨せられたし”、
”大部に轉呈せられたし”との如 し。
 右の「歴史文書用語辭典」によると「大部」は
中央各部すなわち吏禮工戸刑兵の六部に対する敬称であるという。ところで、中国は明清に於いて琉球との朝貢関係については禮部の主客清吏司が分掌していたのであるから、「歴代寶案」に出現する「大部」は禮部を指すと考えられる。
○「歴代寶案」の例
@「據冊轉造清冊詳送、伏候察核具奏并請移咨大部査照等由」([歴代寶案」四三五二)

@「冊を據けとりたれば、清冊を轉造したれば、詳文もて しさいに實を考察して ならび 禮部詳 送る。伏して察核 具奏せられ并に大部
承 知 もと ま
に移咨して査照せらるべく請めらるるを候たんとの等由あり」
A「應康熈三十六年、給予口糧銀米豢養、差員送至大部、發交高麗館進貢人員帯回」「歴代寶案」一七三〇」
とほ
A「康熈三十六年[の例の]應り、口糧銀米を給予して豢用し、員を差わし大部に送至せしめ、高麗館の進貢人員に發交して帯回せしめ云云」