朝鮮
○「歴代寶案」の例
@「臣査、歴届、朝鮮國遭風難夷到f、應於安挿之日起、給予衣服口糧、在於存項銀内動支、事
竣造冊報銷」(「歴代寳案」七八四七)
これまで毎回
@「臣査するに、歴届 、朝鮮國遭風難夷がfに
於 はじ
到れば、應さに安挿の日より起めて衣服口糧を給
在於
予するに、存項銀の内より動支し、事が竣われば
造冊して報銷すべし」
  動支:[金を支出する「中日大辭典」]
○「歴代寶案」の外交文書の様式を西里喜行は、 咨文型文書様式、書簡型文書様式、折衷型文書様式の三型に分類して、書簡型文書様式を大略次ぎのように説明している。
○書簡型文書様式とは、朝鮮國王から琉球國王へ宛てた文書及び琉球王國の王相の懐機が明國の天師大人、あるいは、東南アジア各國の高官に宛てて送った文書などの書簡文の形式を持つ文書群をいう。
○書簡型文書様式の構成(朝鮮國王殿下に宛てた文書)
@発信者の氏名(國名+姓名)をフルネームで署 名。
A「書簡を差し上げます」という「奉書」あるい は「奉復」の用語がくる。
B宛名:受信者の名称+敬称。
C本文
D「不宣」「不具」「不備」「自重」などの用語 で書簡の本文を結ぶ。
E発信年月日(明朝の年号が使用される)
F最後に再び発信者のフルネームの署名がある。
(『那覇市史・歴代寶案第一集抄』解説)
※琉球から朝鮮あての文書は三つの様式のいずれも用いているが、朝鮮から琉球あては書簡型が中心で、咨文型文書様式も用いているが、折衷型文書様式は一通もない。