内閣档案
○明清档案の種類。数量・歴史及びその史料的価値を解明するにあたっては、全宗原則を手掛かりに調査研究しなければならないのである。中琉関係について見ると、内閣档案・軍機処档案・内務府档案・宮中档案中の史料は朝貢・冊封・救援・賞賜・貿易・入監読書・頒布詔書・頒布時憲書及びその他の通行活動を反映したものが最も多く、その記載も非常に詳細である。本来ならば、礼部档案・国子監档案・光禄寺档案・戸部档案にも比較的まとまった中琉関係史料があるはずである。しかし、管理が行き届かなく、その上、火災と戦争による破損のため現存する数量はきわめて少なく、その中にあって中琉関係史料はさらに稀である。ただ、清朝の文書档案制度は厳密で、文書の種類も繁多であり、あわせて副本制度と彙抄制度が実施されていたので、ある種の重要な文書に関しては史料的に完備されているとも言える。清代史研究者がその保存現状と清朝の文書档案制度を理解すれば、個々の研究テーマに応じ、必要な档案史料を見つけ出すことができる。
(「歴代寶案研究第2号」「明清档案と中琉関係史料の構成について」)