牌式

 新任の某 の正堂某姓、公務の事の爲めにす。
縣 州 たしか照らし得たり。本 は的 に某の日(\判す)、某の時
お  縣  くだん
(\判す)に于いて任に上るなり。所有の應さに用ふべ
サキブレツカヒノモノ
きの夫馬について先に牌 を遣わして知會
役人 申付 すすめゆ
せしむべし。此れが爲めに役に仰けて、前去かし
シタヤク 申付け 後 記
むれば、該の房の吏書に着落て後開の夫・馬・轎
とほり 使用し終わ
・槓の名數の照依に一一喚備せらるべし。用過 ら
[受取りを領収してわたす]
ば、工錢を領給     すべし。遲xを得ること
とがめ 受 不都合 すべ
毋かれ。究 を取くらば未便なるべし。須からく牌する者い至るべし。
    計開
カゴ
  轎幾乘    馬幾匹   槓架幾副
ガクシュ カサボコ ニンソク
凡そ舖兵・吹手・傘扇・夫皀并びに執事の各役は
とも お
悉く舊規を照らして倶に其の處に在いて伺候せよ。
\  直  申し コノトホリニセヨ
    右の牌は兵房の各吏書に仰つく。准此
  年    月    日を\判す 日
定限上任 \判 日ク す
カエシオサム
(「福惠全書」・巻之二・濫C部を参照して訓読適宜修正)