批・檄行
○［考察］
○「領侍衛大臣福建浙江総督臣馬爾泰謹奏、爲據實具奏事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
　　　　ア
當即、批令藩司、會同司驛道、速即確査明白、
イ
妥議通詳、復檄行該司道、即飭加意撫恤、將難夷作何遣發回送之處、速即、循例妥辧、會議核詳去後、嗣據司道會詳、・・・・・・・・・・・・・
臣已批令照例給賞、毋使失所、所有琉球難夷、現
ウ
在安挿驛館、及臣先後批檄査辧縁由、合行恭奏聞、仰祈皇上睿鑒、謹奏。「知道了」乾隆十一年六月初十日」（「清代中琉關係档案選編」）
　右の例によると、中國へ漂着した琉球人を琉球館へ安挿するまでに少なくとも総督は福建等處承宣布政使司に二度指示をだしていることが知れる。
最初はアの「批令」であり、その次はイの「檄行」である。このことからウの「批檄」の「批」はアの「批令」の「批」であり、「檄」はイの「檄行」の「檄」を指すことが知れる。
　以上のことによって次の句は
「先奉憲臺批檄行司飭遵去後茲據兼攝福防同知事福州府知府徐元逐一譯訊」（「歴代寳案」三四四六）
は次のように句点して訓めると考える。
　「先奉憲臺批・檄行司飭遵去後、茲據兼攝福防同知事福州府知府徐元逐一譯訊」と。
福建等處
「先に憲臺の批・檄行を奉けとりたれば、司承宣布政司したがたりしところここ
は、［福防廳に］飭して遵はしめ去後、茲に福
防同知の事を兼攝する福州府知府徐元が逐一譯訊
う
したるを據けとりたるが、それによれば、云云」と。
　批と檄とはともに、申しつける、あるいは指示命令すること、あるいはその文書であるが、その使用の仕方には相違があったように解されるが、現在のところ分明にし得ない。後考を待つことにする。今はともに、申しつける、指示する、命令する、あるいは、その文書のことと解するにとどめておく。