ま い
○也た禀帖とも稱う。公文の名稱なり。上行文。

手紙(注一) な
初めは官員間の私人の信件 と為して、下級官員が
む 書いて出(注二) 意  思
上官に向かって祝賀を写信し、或いは情節を疎通
し 形式 常套語 な
する時に使用する所に爲て、一定の程式と套語無
運  用 手続き また 比較的融通がき(注三) 簡単で便利
く運轉の程序も也た較靈活  いて簡便 なり。
保管(注四)
乾隆の初め、即ち禀文を將って歸档し、公開の上
な行官文書に成爲せり。後に地方州縣の官が督撫及び衙署内部の胥吏に向かって、衙吏が其の長官に
指示 ある
向かって示を請い、或いは公事を報告する時に、
 あまね
普遍く使用す。普通は士民が官府に向かって事件
な た
を陳述する時も亦た用い、稱して禀帖と為す。但だ、清代の禀文と扎文は一様に會典の記載に見え
文書・書類
ず、始終未だ列して法定文件 と為さざるなり。   (朱金甫)(「中国歴史大辭典・清史(上)」五三六頁・原中文)
注一、信 :書信・通信・手紙。(「中日大辭典」)
二、写信:手紙を書いて出す。手紙を書く
(「中日大辭典」)
 三、靈活:融通がきく。活用面が広い。(「中日大辭 典」)
 四、歸档:文書を保管する。(「中日大辭典」)
○禀
@人民より官庁へ差し出す文書。
  [現在城廂内外人民紛紛到轅遞禀]
A下級の官吏から上級者にあてる文書。
  [連日接據該道等禀稱・・・]
B外国人が清国官憲に差出す文書。アヘン戦争以
前には東印度会社の現地代表や外国官憲が清国官
憲に通信する場合にも「禀」の形式により且つ公行商人を通じた場合にのみこれを受理した。
  [夷人具禀事件、應一律由洋商轉禀、以肅政
   體也]
[義律(C・ELLIOT)随於初九日、遣令夷人、
在城門外、投遞封面並無禀字之夷信一封。因其有
違定制、當將原封擲還](「中國經濟史語彙・正編」)