明代文書档案
○現存している明代文書档案中の題奏文分類には、題本・奏本・掲帖・塘報・啓本があるが量的には少数である。数量が最も多いのは題稿・行稿・科抄である。題奏文関係の彙抄档冊は数少なく、「崇禎存実疏鈔」「掌銓題稿」「題稿抄存档」「錦衣衛題本档」「楊鶴奏議」「鳳陽新書」等のみである。明代の題奏文は紙幅も字体も比較的大きく、正式な題本・奏本は全部楷書で書かれている。これに対して「題稿」「行稿」は原稿であるため字体は殆ど行書でまた手直しされているのも多い。現存する明代の題奏文中には、中琉関係史料は少ない。已に発表された明代史料の殆どは明末の農民戦争と明清戦争に関するものである。
(「歴代寶案研究第2号」「明清档案と中琉関係史料の構成について」)