免職
○ある市で大きな窃盗事件や暗殺事件が発生すると、知事は盗賊あるいは暗殺者を発見しなければならない。そうでないとかれらは職を免ぜられる。同じように、なにか大犯罪、例えば息子が父親を殺すというようなことが起こると、事件が中央官庁に送られたあとすぐ、全役人が罷免される。善風を守るための配慮を怠ったという理由からである。同じように有罪の子供たちとともに両親を死刑に処する異常な場合もある。両親は役人の承諾を得て、祖廟に集まりどうにも手に負えない息子が、家族の名誉を汚すかも知れないようななにか悪業をしでかす恐れがある時には、この子供に死刑を宣して殺す。
(イエズス会士中国書簡集4・社会編」八九頁備考二、『東洋文庫・平凡社』)
○役人があまりにも厳格にすぎると、巡撫が三年ごとに朝廷に送る報告書のなかにきっとそれが記載される。この記事はこの役人の職を奪うに十分である。(「イエズス会士中国書簡集4・社会編」八九頁備考三、『東洋文庫・平凡社』)