薬草(参照:存留通事)
○薬草の苗核の収集を続けるため、なお暫く福州に滞在したい旨の備瀬筑登之親雲上の要請書。
上覧に備ふ。
   覚
備瀬筑登之親雲上
さるあき がた た いた
右は、去秋、薬種苗核求め方の爲めに渡唐致し、
ほうぼう あ こ
方々差し越し苗核相い求め此の節接貢船より差し
わた
渡し候処、爾今太分残品これあり。滞在致さざれ
がた あ たっ い
ば求め方相い達しがたき段申し出で候。右に付き
はか かな
ては、苗核求め出し候様取り計らい申さずは叶は

ざる事にて、勢頭・大夫御案内の上、滞在申し付
かれこれ つかまつ
け、薬草木苗核求め方、彼是相談仕 り申し候。
おお あ くだ
此の旨、仰せ上げられ下さるべく候、以上。
 辰四月廿六日[甲辰:道光二十四年、一八四四]
普久嶺里之子親雲上[存留通事金邦俊]
うけたまわ
 右の通り承 り届け申し候間、此の段申し上げ候、以上。
 辰四月廿六日
        神山親雲上[進貢正議大夫魏恭儉]
伊志嶺親雲上[進貢耳目官向紹元]
 表御方
  御取次衆