ユダヤ教徒
○開封府にユダヤ教徒(中国人からは桃筋教と呼ばれていた)がいることを発見したのはマッテオ・リッチである。からは教務が多忙であったので親しく現地に赴いて調べることができなかったが、北京に科挙に備えるために来ていた若いユダヤ人に質問し、さらに中国人イエズス会士をシナゴクに派遣し、ユダヤ人たちが相当古くからこの地に定住していること、かれらがモーゼの五書の写本を所有していることを確かめた。清代に入ってからはイエズス会士ゴザニがシナゴクを訪れて細かい質問をした。ヨーロッパでは中国のユダヤ人が所有する聖書が、聖書に関するさまざまの論争を
解決するのではないかと期待したのである。
(「中国の医学と技術・イエズス会士中国書簡集」二四七注一〇)