頭
○中国の船には強度を保つために各船艙間に防水隔障あるいは隔壁板という仕切り板がある。その船首にある隔壁板の中央部にとりつけて両舷の肋骨を連結している頭のこと。「清國行政法」巻
六に頭は帆柱とあるは誤り。同書巻二で、頭とは即ち船首の義なりとしている方が正解に近い。船首にある横木のことである。明末から清朝前半
期にかけて船税は明法を踏襲しており、張燮「東西洋考」餉税考中の水餉の項によると、西洋行きの船は、頭一丈六尺以上の船に各尺銀五両を、一丈七尺以上の船は各尺五両五銭ずつ、しかも一尺ふえるごとに各尺に銀五銭を加えていくことにし、東洋に行く船は西洋行きの船の税の七割をとりたてた。「台湾文化志」第十一編第一章防海及船政の項には、頭（船体の頭木）は、康熈四十二年に一丈八尺をこえることを禁じたが、乾隆時代には渡洋船は二丈以上も可となり、のち嘉慶十
一年、また一丈八尺以内に制限したと、ある。
　　　　　　　（「清俗紀聞２」一〇六～一〇七の注一一・『東洋文庫・平凡社』）